20%にも及ぶ商用車の事故率

“ながらスマホ運転”を撲滅するためのスマートフォン・アプリ「eBrake」。その北米サイトに興味深いニュース記事が掲載されました。北米の運送業は安全ポリシーの徹底遵守、特に“ながらスマホ運転”を禁止する安全対策に躍起になっています。これは日本国内の運送業にとっても切実な問題です。解決に導くソリューションの提案とともにご紹介します。

従業員による「安全運転と法令遵守の欠如」という大きな課題

安全、それは運送業が直面する最重要課題の1つです。 ドライバーと車両の両方の安全性を確保しなければならない懸念、とくに従業員による安全運転と法令遵守の欠如は、永年の課題と言えます。

商用車の年間事故率は約20%とされており、医薬品など一部の業種ではさらに高くなっています。 運送ドライバーの事故頻度が高い理由の1つは、年間で運転する距離が長いためです。 米国における一般的なドライバーは、年間1万2千から1万5千マイル(約1万9千キロ〜2万4千キロ)を走行し、車両衝突の可能性は15回に1回程度となります。 しかし、運送ドライバーのほとんどは、年間2万〜2万5千マイル(約3万2千キロ〜4万キロ)以上の走行距離となるため、より多くの衝突リスクに晒されているのです。

運送業におけるトラック事故は、最も多額な損害賠償請求の一つとなります。 その損失額はの平均で約7万ドル(約770万円)と言われており、これは平均的な労災の約2倍にも及びます。

物的損害だけでなく、ドライバーが事故を起こすことによる生産性の喪失、売上げが立たないことによる収入の損失、さらには第三者による損害賠償請求のリスクが発生します。 大部分の企業は、車両と従業員を自己保証しているため、企業はこれらの費用を直接支払うことになります。

現在、商用車両の安全は予防可能な事故に対する法的責任から経営陣の“レーダー”に引っかかっています。この訴訟によって経営陣は、従業員を運送業の安全ポリシーに法令遵守させることについて敏感になっています。 そしてドライバーに明確かつ一貫した期待値を設定するためには、車両安全方針と手順を書面に明記して伝達することが重要です。

安全ポリシーの実施

お客様の生活や仕事において、ドライバーが今まで以上に緊密に繋がっていく世界では、運送業のマネージャーが携帯電話使用による「ながら運転」を禁止する安全対策を執行することが、ますます困難になっていきます。

ながら運転の問題は以前より複雑です。携帯電話でテキストメッセージ程度のやりとりをしていた時代は過ぎ、今日のドライバーはスマートフォンの様々なアプリケーションのどれにも気を使い、注意力はさらに散漫になってしまっています。 同様に、多くの人が片手運転をしながらスマートフォンのGPSナビを使い、デバイスと道路との間で注意が行ったり来たりしているのです。

運送業の安全管理の未来をさらに複雑にしているのは、今以上に交通管理プログラムを活用しなければならない状況への移行です。

今日、国家安全保障会議では、携帯電話の使用が原因となる交通事故は、事故全体の26%と見積もっています。「ながら運転への大きな課題は、ドライバーが使う車載技術、補助システム、または携帯端末をどう制御するかである」と運輸資産管理会社であるBrewington&Company社長、CAFM、John Brewington氏は語っています。

実際には、すべての携帯電話の使用状況を追跡することは難しいため、この26%という統計値は過小評価されている可能性があります。「文字どおり、誰かの通信記録を引っ張り出したとしても、運転中にiMessageによるテキストチャットを使っていたとするなら、通信業者の記録には含まれません。何故ならばAppleのサーバーを経由するiMessageは、通信業者が把握することができないからです。もしそれをやるには、Appleの端末を物理的に調査する必要があります」と、ある運送業のマネージャーは述べています。

ながら運転問題は、テキストチャットで育った次世代がドライバーの仲間入りをしてくると、今後数年でさらに深刻になることが今から約束されているとさえ言われています。

「ながら運転は、特に年配の運転手から置き換わっている21歳から30歳の若い年齢層の間で、より致命的な事故につながっている」と、匿名の運送業マネージャーは語っています。

eBrakeのような新しい技術は、運送業にとってとても魅力的です。eBrakeは市場に出ている他のソリューションとは異なり、運転中にドライバーによって「不正に操作されたり」または単に「電源オフ」にされることはありません。

ここで運送業にメリットをもたらすeBrakeの機能のいくつかを紹介します。

  • 動きを検知するとデバイスを自動的にロックします。
  • 運転手が助手席に座った場合に利用可能な独自のの助手アンロックテスト。
  • 運転手は助手のふりをして運転中にロック解除することができません。
  • モバイルデバイス管理(MDM)プラットフォームを通じた、手間のかからない運用。
  • ハードウェアは必要ありません。
  • 高い費用対効果。

eBrakeは、運送業ドライバーが、テキストチャット、SNSのチェック、ビデオの視聴などで自分の携帯電話を触りたくなる誘惑を完全に排除します。

これにより、ながら運転が原因による事故の可能性が大幅に低下するばかりでなく、ドライバー(そして企業ブランド)の安全が確保されることで、運送業のオーナーにも安心感が与えられます。

Automotive Fleetに掲載されたオリジナルの記事。